澤村、ロッテへようこそ!
普段の振る舞いやふてぶてしい態度からあまり好きではない選手だった。
しかも、ジャイアンツのユニフォーム姿が余計に腹立たしくも思えた。
午前中にジャイアンツのファームで首脳陣やナインに挨拶をする澤村の姿をヤフーニュースで見た。
午後には一転、松本球団部長とのロッテの入団会見を目にした。
そんな目まぐるしい一日の夜に、まさか即一軍登録されて、しかも即登板の機会が与えられるとは.....。
古巣への感傷的な思いや、慣れない新天地での緊張感など、あれやこれや考えさせる暇も与えないかのように、しかも味方が逆転して1点リードした緊迫した場面での登板。
まさに球場の雰囲気を一変させた。
入場制限の観客数とは思えないほどの歓声が沸きあがる。
吹っ切れたような顔つきに、間に合わずに急遽借りたユニフォームがやけに似合う。
あの『澤村』がマリンのマウンドで、マリーンズのユニフォームを着て投げている。
ストライクが入るのか?
歩かせて痛打を浴び、逆転されるのでは?
そんな不安な思いを払拭させるテンポの良い投球で、3者連続三振に切って取りマウンドで雄たけびを上げた。
感動した....。心が震えた。
今シーズン、ジャイアンツで思うような期待に応えられず、2軍や3軍でもがいてきた思いや、井口監督、吉井コーチ、そしてジャイアンツの原監督や阿部2軍監督の思いに応えるかのような早速の快投には、ロッテファンのみならず、すべてのプロ野球ファンに感動を与えたのではないだろうか...。
優勝争いをしているロッテに、また少し追い風が吹いたようなそんな気にさせられた胸の熱くなる試合だった。