週刊中年オッサンデー

中年おっさんの趣味や日々のくだらない話

MENU

真夜中のモノクロフィルムから流れたダミ声〜Hang Down Your Head トムウェイツ

大学生の頃、深夜のTVで『ダウン・バイ・ロー』という映画を見た。

ジム・ジャームッシュ脚本・監督で、トム・ウェイツジョン・ルーリーロベルト・ベニーニ演じる脱獄囚が放浪しながら友情が芽生えていくというような話で、夜中にバーボンを飲みながら見るのにほど良いゆるさが心地よく、特にこれといった中身があるあ訳でもないのだが、その独特のダラダラ感(?)と映像が大好きな作品の一つだ。

エンドロールに流れる調子外れのピアノの旋律に絡むダミ声が衝撃的で頭から離れなくなった。

翌日には輸入レコード店トム・ウェイツ『レイン・ドッグ』というLPを手にしていた。

ダウン・バイ・ロー』で衝撃を受けた"Jockey Full of Bourbon"と"Tango Till They're Sore"を改めて聴いて、そして興奮した。

映像がそのまま浮かんでくるのだ。

 

そして、なんと!!
ローリングストーンズのキースが参加した曲が収録されていたとは.....!!

6曲目の"Big Black Mariah"と14曲目の"Union Square" で、トム・ウェイツの濁声とキースのギターが絶妙にコラボってて、思わずキースとの共作か?と思ってしまった程、2人の飲んだくれのイメージにピッタリとはまっていた。

 

後にロッド・スチュワートがカバーして世界的にヒットした17曲目の"Downtown Train" やラストの"Anywhere I Lay My Head"もお気に入りなのだが、個人的に大好きな曲が8曲目に収録されている "Anywhere I Lay My Head"である。

 

たった2分半の曲なのだが、もう好きすぎて最後まで聴けないという...w

何なんだろう? 

メロディーといい、歌詞といい、声といい、とにかく胸が震えて、明け方まで飲んでまどろんだまま聴いていると、意味もなく泣けてきてしまうのである。

 

後にCDで買い直して何度も聴いているが、今でも色褪せることなく感動を与えてくれるのだ。

 

このアルバムをきっかけにトム・ウェイツにはまってしまい、初期のアルバムから買い漁ることになるのだが、特に初期の曲は日本人の琴線に触れるような泣きのメロディーが満載で、それらを収録した数々のアルバムは今でも俺の大切な宝物である。

 

レイン・ドッグ

レイン・ドッグ