Heartattack And Vine トム・ウェイツ
1980年にリリースされたトム・ウェイツの6枚目のオリジナルで、アサイラムレコード時代の最後のアルバム『Heart atack and Vain』
『レインドッグ』ですっかりトム・ウエイツの魅力にはまってしまい、輸入レコード店を廻ってはジャケットを眺めていたのだが、まず入門編として『Asylum Years』というベスト盤を手に入れた。
とにかくトムの魅力溢れる名曲がたっぷりと詰め込まれたそのアルバムの中でも、特にお気に入りだったのが『RUBY'S ARMS』だ。
せつなさがこみ上げてくるトムの歌声にドラマチックなメロディーライン、そして歌詞がまた素晴らしく、当時オリジナル曲を作ってバンド活動をしていた俺はこの歌詞にインスパイアされて曲を作ったほど、とにかく思い入れが強い作品なのである。
それだけ好きな作品を収めているオリジナルアルバムを真っ先に手に入れない訳がない。
英字新聞のようなアルバムジャケットもセンスが良く、そして収録された名曲の数々。
トム・ウェイツの作品の中でもベスト3に入るくらい好きなアルバムである。
スピーカーから唾しぶきが飛びちってくるほど迫力のあるしゃがれ声シャウト。
中でも特に気に入ったのは4曲目の『DOWNTOWN』で、好きすぎて歌詞をカタカナで起こして真似るほど歌いまくった。
4ドルの部屋でシーバスリーガルを飲んでいる。。という歌詞に感化されて、当時生意気にもシーバスリーガルをロックで飲んでいたのが懐かしい。
ブルーススプリングスティーンがカバーした『JERSEY GIRL』があまりにも有名になってしまった為に、どうしてもこの曲がフューチャーされてしまうのだが、
『ON THE NICKEL』や『SAVING AL MY LOVE FOR YOU』などのスローナンバーでのトムの歌声は、胸を震わせずにはいられないほど、『RUBY'S ARMS』に並ぶ名曲である。
一人きりの部屋で灯を落として、シーバスリーガルを飲みながら聴きたくなる。
そんな名盤である。