あれは中3の秋の終わりだった。
浜田省吾待望のオリジナルアルバム
『Promised Land~約束の地』がリリースされた。
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当時、浜省の地元広島にあった『ブルートレイン』というファンクラブに加入していたのだが、そこでこのアルバムを予約するとオリジナル特典が付いてくるというので申し込んだ。
ところが、どういう段取りだったのかよくわからんが、実際に家に届くまでにはかなりのタイムラグがあった。
待ちきれずにFCに電話をかけると、ほんの30秒くらい『マイホームダウン』が聴けたので、アホみたいに何度も何度も電話をかけてその30秒に興奮していた。
よく聴きとれないけど、すげぇいいメロディーだと思った。
毎日楽しみに学校から帰り確認するがまだ届かない、という繰り返しの日々が続き、手にしたのは発売日から既に1週間近く経っていたと思う。
ちなみに『ブルートレイン』の会員番号が何故か2番だった。(一周したのか?)
『おおっ!!』
やっと手にしたLPレコードを眺めると、既に丁寧な梱包と配送のおかげで、端っこがひん曲がっていた(泣)
まあ、そんな小さな事は気にしないので、早速ターンテーブルに針を落とすと、かすかに聞こえる波の音と共に壮大な『オーシャンビューティー』のインストが流れた。
そのクラシカルなストリングスを切り裂くようにドラムのスネアがカットインして来る!
♪ ダン・ツ ダン・ツ ダン・ツ ダン・ツ ダダダダダ ♪
♪パワーシャベルで削ったぁ〜
『ウォォォォォォォ〜~~来たぁあああ〜!!!』
もう興奮のるつぼである。
♪こ〜んや誰もが、夢見ているぅ〜いつの日にか
これこれ!電話で何べんも聴いたやつ!
最高!カッコイイ!
歌詞も曲もアレンジも最高すぎて、次の曲に行かずにまた最初から聴き直す。
サビ前のシンセや、フェードアウトするギターソロなど、
どこを切り取っても最高な水谷公生のアレンジ!
このアルバムからしばらく水谷氏とのコラボがストップしてしまったのだが、やはり浜田省吾の作る曲には、水谷さんのアレンジは欠かせない。
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そして何といっても、これぞ浜田省吾の原点とも言える歌詞である。
ちっぽけな田舎町で育った俺も、田舎特有の窮屈さや何でも満たしてくれそうな都会への憧れを抱き、この歌詞のように早く高校を卒業してこの町から出て行く事を心の支えにしていた。
『今夜誰もが夢見ている いつの日にかこの町から出て行く事を』
後に彼の代表曲のひとつとなり、ライブ終盤での定番曲でもあるこの『マイホームタウン』と、ラストの『僕と彼女と週末に』が壮大なテーマすぎるが故に、そのイメージが色濃く反映されがちだけれども、実は力を抜いた感じの『バックシートラブ』や、ミディアムテンポの『恋に落ちたら』でさえも、対等に肩を並べられるだけクオリティが高く、アルバム全体のバランスが非常に良い優れた作品だと思う。
きっとこのアルバムが浜田省吾のメロディーメーカーとしての頂点だったのでは?と思わずにはいられない。
全作品の中でも、未だにこの『Promised Land~約束の地』が俺のフェバリットアルバムなのは、たぶん一生変わらないと思う。