夏の朝の匂い
夏休みに入り、朝から子供達の声がラジオ体操の音楽と共に聞こえてくる。
運動不足、ダイエットの一環としてテレビ体操を始めて早1年になる。
その効果があったのかどうかは定かではないが、(体重は減ってないが運動不足にはなってるのかも)我ながらよく続けられたものだ。
ラジオ体操第二の音楽を聴くと、いつだって小学生の頃の夏休みが蘇るのだ。
独特の夏の朝の匂いが、鮮明に蘇る。
子供会の体操が終わり家に帰ると、朝ごはんの支度をしている母親からボールを預けられ、近所の豆腐屋さんへお使いを頼まれる。
出来たての豆腐が入ったボールを水をこぼさないように持ち帰ると、早速味噌汁の具材として手早く均等に切り分けられる。
今思えばなんとも贅沢な朝飯だ。
昨晩の再放送のプロ野球ニュースを見ながら、出来たての味噌汁の匂いが心地よい朝の空気に溶け込んで、なんとも幸せな時間だった。
なんの悩みもなく、ただ無駄に夏休みの時間を過ごす。
もう戻れないから、せめて同じ匂いを探してしまうのかもしれない。