週刊中年オッサンデー

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悲しい気持ち・いつか何処かで/桑田佳佑 思い出の名曲~夏のうた⑪

大学の頃、高校時代の仲間4人でふらっと旅に出た。

夏休み、といってももう既に8月も終わりに近づいてきた頃であり、そんな時期にブラッと遊びに行けるのも、暇な大学生ならではであった。

前の晩に友人のアパートで酒を飲みながら盛り上がり、とりあえず車で北へ向かおうという適当な計画だった。

 

肝試しのノリで恐山に行こうぜ!という話で盛り上がったものの、あまりにも遠すぎた為に途中の十和田湖で断念し、そこで1泊する事にした。

 

今のようにネットで簡単に宿が探せる時代ではなかったので、旅館案内所で安い宿を紹介してもらい、湖畔で乙女の像のホモ模倣写真を(全裸で)撮ったり、花火をして遊び、酒を飲んで盛り上がった。

 

翌日は男鹿半島のキャンプ場に行って、バンガローを借りた。

キャンプ場の中に海を見渡せる野天風呂があり、時期的にほぼ貸切だった為に勝手にワンカップを温泉に沈めといて野球をやりながら熱燗になるのを待った。

 

どうやら、そのだだっ広いキャンプ場には俺達4人とバイカーらしきソロキャンパーのたった5人しか泊まってないようだった。

明るい内は原始人の様に裸で遊び呆けていた俺達も、暗くなってくるとキャンプ場の独特の静寂さに少々怖くなってきていた。

 

俺達は前の晩に十和田湖の旅館から拝借してきた浴衣を着てキャンプ場内をうろついていたのだが、暗闇に光るバイカーのテントを見つけたので、外から着ていた浴衣をジュディ・オングのように広げて「ガオー」とやってみた。

夜のテントの中からはきっと、鳥人のような巨大な影が映ってさぞ驚いた事であろう。

 

そんなイタズラをしながらも自分達もビビっていたので、遠く離れたトイレに行く事も出来ずに、バンガローの窓から用を足していた。

そのおかげか朝起きたら全員、難民のようにハエに集られまくったまま寝ていた。

 

真っ暗なバンガローの中で、ライターを着けた一瞬で芸をする..という遊びを代わる代わる繰り返しては爆笑していた。

 

特に色気もなく、野郎4人でのそんなくだらない旅だったのだが、
その道中、車の中で繰り返し聴いていたのが

桑田佳佑の「悲しい気持ち」と「いつか何処かで(I FEEL THE ECHO)」だった。

その時の思い出からなのか、

 

帰り道の車内、「いつか何処かで(I FEEL THE ECHO)」が流れると旅行中の出来事がフラッシュバックされ、何故だか寂しさがこみあげてきた。

 

それがその4人で出かけた最後の旅になってしまったが、30年経った今でも桑田佳佑のこの2曲を聴くとあの夏を思い出す。

きっと俺達にとっての「スタンドバイミー」みたいな感じなのかな。