妖怪ウォッチ~そうだ、温泉へ行こう②〜
閉所恐怖症の俺は、実はサウナが苦手である。
暑さだけでも苦痛な上、もし何かのアクシデントで扉が開かなくなり、出れなくなったらどうしよう?
と考えるだけでパニックってしまうのだ。
ただ、基本メタボのオッサンなので、サウナで汗を絞り出してカロリーを消費したいという欲求と、肝試し的なドキドキ感を求めて(怖いもの見たさ的な感覚)で入ってしまうのだ。(?)
その日も俺は恐怖のサウナ地獄から解放されて、まるで手錠をかけられたまま爆破されたジェットコースターから生還したプリンセステンコーのように、晴れ晴れとした気分でサウナ室から出てきた(?)....ら?
全身毛だらけの麻原彰晃のような男が水風呂に仰向けで沈んでいたのだ。
『…❓❗️』
ビックリして心臓が止まりそうだったよ。
よく見たら死んでる訳ではなく(当たり前)
好き好んで水に潜っているだけだった。
束ねるわけでもない汚たねぇ長髪が、もずくのように浮かんでる。
『いったい、何の修行だよ…』
毛むくじゃらだし、そこに入る気が失せる…というか、入れねーだろ!!
子供が見たらひきつけ起こすぞ
そうかと思えば、湯上がりに髪を乾かそうとしたら2台しかないドライヤーのある洗面台の1台に、ほぼ丸ハゲのジジイが座り込んでいた。
『どうせ(ハゲだし)ドライヤー必要ないんじゃね?』
と思いながら髪の毛を乾かしていたら、急にジジイのドライヤーのスイッチが入った。
『?!』
思わず振り向いた、その視線の先には…
な、なんと!
脇の下の毛を乾かし出すジジイの姿が!!
『え?!そ、そっち?!』
思わず声が出てしまった。
潔癖なのか、ただ単に負けず嫌いなのか…。
そこだけのためにドライヤーが必要ならば、さっきの毛むくじゃらはどうするんだろう?
逆にこのハゲジジイが水風呂に潜ってたら、綺麗なの?いや、汚ねーし…。
世の中の不条理に俺は頭を悩ませながら、人は見た目やモラルだけではどうにも出来ない事に気づかされたのであった。
一見、すごくいい事を書いてそうに思えたが、読み返してみたらそうでもない(意味がわからない)事に気がついたよ。