胸震わせる哀愁のメロディー 別れの予感/テレサ・テン
いい感じに酔いがまわってきた楽しい酒宴の最中、ほろ酔い気分でトイレに立つ。
ひんやりとした夜の風に武者震いしながら用を足していると、かすかに聴こえてくるのは哀愁漂うカラオケのナンバー
泣き出してしまいそう
痛いほど好きだから
どこへも行かないで
心地よく酔って浮き足立った心をクールダウンさせるかの如く、なんだか泣きたくなる位に胸にしみてくるこのやさしい歌詞とメロディー。
早いとこ酒宴に戻りたいというはやる気持ちとは裏腹に、なかなか切れの悪いおしっこに苛立ちながらも、今宵のよくわからない期待感(?)に胸を膨らませながら席に戻る。
ガッツリと目の前で歌われるよりも、店内から漏れてくる位があえて心地よかったりするのだ。
最近は飲み歩く事もなくなったので、通りかかった店先から漏れてくるこんなメロディーを耳にすると、くわえ煙草でションベンしながらブルってた頃を思い出して、なんだか胸がいっぱいになるんだよな…。
夕暮れ時、どこからともなく漂うカレーの香りが少年の頃に戻してくれるみたいに...。
スナックから漏れ聞こえる『別れの予感』が、なんだかせつなくて泣きたくなるんだよな...。
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