週刊中年オッサンデー

中年おっさんの趣味や日々のくだらない話

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こだまでしょうか?いいえ、誰でも 〜おならの音色・その弐~

煙草を辞めてから、もう6~7年経つかな...。

当時はかなりヘビースモーカーだったけど、中でも寝起きと食後の一服は格別だった。

 

食後の一服で腸が刺激を受けて、そのままトイレに直行というパターンが多かった。

吸っている途中で我慢出来なくなる事もしばしば....。

 

あれは夏休みに家族で出かけた時の事だった。

幕張のアパホテルで飯を食った後に、玄関前の喫煙スペースへ煙草を吸いに行った。

 

喫煙スペースでは、Yシャツに半ズボンにハイソックスで革靴を履いた、なんかチグハグなファッションの60過ぎのおっさんが煙草を吸っていた。

ビジネスなのか、観光なのか、ゴルフなのか?

そんな事を頭の中で廻らせながら煙草を吸っていたら、早速便意をもよおしてきた。

 

『あ、やばい...。この一本吸ったらトイレ行こう…』

 

そう自分に言い聞かせながら煙草を吸っていたのだが、

 

『やっぱもうダメだ。限界…』

と、産まれたての小鹿のように小刻みに震えながら灰皿に近づいた途端....

 

『ミッ!』

という音のおならが漏れてしまった。(汗)

 

『やべえ......』

 

正式には『ヴィッ!』という感じだろうか…

俺にはミ♭(フラット)のように思えたが...(どっちでもよくね?)

 

すると、さっきの半ズボンのおっさんが灰皿に近づいて来るなり、

 

『ヴィッ!』

 

と、俺と全く同じ音の屁をこいたのだった!

 

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『えっ?!!やまびこ?!』

一瞬、目を、いや耳を疑った。

 

 『コピーしたの?』

と思うほどまるっきり同じミの♭(フラット)

チューニングして合わせた楽器のように、高さもキレも一緒だったのである。

 

 

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このロードランナーの泣き声(?)のような屁の音

 

しかも屁をこきながら、一瞬だけ俺の目を見た(.....様な気がした)のである。

 

『こ、これは、もしや…』

 

単なる負けず嫌いのおやじの復讐ではない。

 

これは譲り合ってクラクションを鳴らす感覚?

そうだ、このフラットな感じは軽い挨拶のクラクションではないか?

 

まさか、こんなところで出逢うなんて…

そのファッションだけは認めたくはないが、この事実だけは認めざるを得ない。

紛れもなく生き別れの屁兄弟!!

 

そう、ONARA brotherだ!!

 

そう思うとあの半ズボンの裾から紫煙と共に漏れ出したあのミの♭が、とてもファンタジーに思えてきた。

 

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『ん~~..。ファンタスティック!!』

 

興奮した俺はクソする事も忘れて、ロビーで荷物番をしている嫁に知らせに走った。

『ミが出た!!ヴィが出たんだよ!』

まるで理想の音がやっと出せた吹奏楽部の学生のように、興奮気味にまくしたてた。

 

すると嫁さんが、

『え?!やだ、汚い…パンツどうしたの?』

 

........って、

『ちげぇーよ、そっちのミじゃねーよ!』

『ヴィだよ、ヴィ!!』 

 

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『ヴィ!!』

 

.......と、アパホテルのロビーでウィッキーさんのように熱く発音をリピートする俺(←あほ)

 

 

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そして思い出したかのようにトイレに駆け込んだ俺が目にしたのはなんと、さっきの屁兄弟!

Hey(屁)brother!』

既に勝手に同志だと思いこんでいる俺は軽く会釈をし、そして個室に消えた。

『そうだ。もう会えないかもしれないから、最後にもう一発、挨拶をかましておこう!』

塀越しに屁…なんて(ププッ..)

 

しかし、 そんな俺の思いとは裏腹に、汚い音だけがトイレにこだました。

『サラバじゃ…うっ...!』

ビビデバビデブブブブブー(爆)

 

こだまでしょうか?

 

…いいえ、誰でも

 

 


 

 

 

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